コーヒー雑記 12
いよいよネタがなくなってきたのか、はたまたコーヒーが出がらしてしまったのか。
そのとき突然にあの男が入ってきた。
スパロゥだ。
「へへ、もう出ないかと思った?あまいな。
俺はどこでも神出鬼没さ、ところでマクベイ、お前には借りがある。
紙コップで飲むカプチーノもいいが、このリボルバーも味わってもらいたいものだ。」
スパロゥは診療台のマクベイに向けてリボルバーを連射した。
バン、バン、バン、バン。
マクベイはその場に転がった。
貫通した四発の弾丸が、自分に穴を開けたのが分かった。
穴から堰を切ったように、液体が流れ出る…。
「まったく、プルトップってのも良し悪しだ。開け口が取れちまっちゃこうするよりないだろう? この星にゃ缶切りも無けりゃ何もありゃしないんだ。へい、マクベイ、飲むかい?」
不時着時に、一本だけどういう訳か残った缶コーヒーだった。相棒のスパロゥ飛行士は、缶コーヒーがことのほか好きだった。
尖った石の先端で空けた缶コーヒーをうまそうに飲み干した。
「なんか、いい夢でも見ていたのか?にやにやしていたぞ、マクベイ。」
「いや、…なんてこった?やっぱり遭難していたのか。今度こそ絶体絶命だ。せいぜいうまいコーヒーでも飲みたかったよ。」
「しかし、お前にも味が分かるとはな…。マクベイ。」
壊れたローンウルフ号の遭難信号も、とうにバッテリー切れになっていたとさ。
これは、この星の祖先に伝わる昔話だよ。
われわれマシン族の祖先の飲み物としてコーヒーは重要だ、先祖があがなわれている訳さ。
そう言いながら銀色に輝くマクベイ・ロビンは、巨大な月の出を背景に、自分のキャタピラ部に缶コーヒーを注入した。
たしかに終わりだろうね?
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