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2008.01.09

コーヒー雑記 10

「マクベイさん、マクベイさん。しっかりしてくださいよ。
はい、口あけて下さい。」
ギュンギュン、ガー、バリバリバリ。
真久部は、歯医者の治療中に眠り込んでしまった事を恥じた。
それにしても何故ここの歯科医は、自分の名にイを付けて、まるで外人のように呼ぶのだ?謎だ。
「ハイ、もっと大きく口開けて。」
何か途方も無い夢を見ていたのを思い出して、真久部は半身を起こそうとした。
「あ、イタイですか?」
真久部は、口を開けたままイヤイヤをした。
しばらくして目をつぶっていると、ヒンヤリしたものが奥歯に引っ付いた。
「型を取っています、そのままそのまま、マクベイさん。」
歯科医の、しばらくじっとしてて、の指示で、真久部は再び夢うつつになった。

マトリューシカは、二、三百人もの小人達の手で開けられた。
顔の部分のハッチが開くと、自分の親指ほどもない大きさの人間が、わんさかと力を合わせて作業しているのが見えた。まるで「ガリバー旅行記」の中の、ガリバーだ。
「何だ?何をしている?ここは何処だ?」マクベイは叫んだ。
小人達のどよめきがおこった。
まるで何十分の一かの精密なドールハウスの街中に横たわっている感じだ。
マクベイは半身を起こすとゆっくりまわりを見回して言った。
「小人の国かい!?ちょっと待ってくれ。俺は何処に来てしまったんだ?」
「落ち着いて落ち着いて、マクベイさん。コーヒーでも飲んで、気を落ち着けてくださいまし。」
メイドの格好をしたおもちゃのような大きさの少女が、トレーに載ったコーヒーを高く差し出した。
「おや、これはこれは、ありがとうお譲ちゃん。」
マクベイは、早速手を伸ばしたが、そのカップの小さなこと小さなこと!
マクベイはゆっくりした動作で、カップをつまみ、飲み干した。
世界で一番小さいカプチーノに大満足をした途端に、再び声がした。
「ハイ、ぶくぶくして下さい。」
真久部は、思わずうまそうに紙コップを空にしていた自分を恥じていた。

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