コーヒー雑記 9
突然、マクベイの目の前にスパロゥの姿が横切った。
「あ!この野郎、いったいどうしてこんなところに居やがる?幻覚か、それにしても嫌な幻覚だ。」
ニヤニヤと笑う顔が窓から覗いた。
ペトリューシカの顔の部分は窓になっていた。
その窓から、覗き穴を覗き込むと、依然と船外活動服をまとったスパロゥの姿と、背後に奇天烈、奇怪な海賊船が見えた。
「マクベイ、絶体絶命だな。」声がすぐの耳元で聞こえる。
「まったく嫌なやつが、現れちまったものだ。ここがどこだか分かっているのか?スパロゥ。」
「ああ、分かっているさ、マクベイ。地獄のようなコーヒーの味はどうだった?」
「ああ、最高…、どうして知っていやがる?なんでだ?どうして貴様が居る?俺は、絶対の孤独と、死に直面する、冒険家としてはただならないところなのだ。放っておいてもらおう!」
「これは幻覚じゃないぜ、マクベイ。
俺にしても、難破船の救助は船乗りの高潔なる使命さ。救助は、ホロ苦いコーヒーの味わいを終わってからの方がマナーがいいに決まっているだろう?」
「貴様のような海賊野郎にマナーがあったとはな。私の貴族としてのプライドが許さん。このままに捨ておけ。」
「見上げたお言葉だよ。マクベイ、そこまで言うならしかたがない。いい旅を祈るぜ。じゃあな!」
スパロゥは窓から消えていった。
ブラックコーヒーのように濃い宇宙に、マクベイの白銀色の渦が痕跡も残さずに落下していった。
この後つづくのか?
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